小鼻の赤みとは

小鼻周りの赤みは非常に多いお悩みのひとつで、「メイクやコンシーラーで隠れない」「血管が浮き出て見える」といった理由で受診される方が多くいらっしゃいます。
鼻周囲は顔の中でも皮脂分泌が多く、さらに摩擦や外的刺激を受けやすい部位です。そのため赤みが慢性化しやすく、セルフケアだけでは改善しにくいケースも少なくありません。
小鼻の赤みのタイプ
小鼻の赤みは大きく2つのタイプに分類されます。

毛細血管拡張タイプ(筋状の赤み)
毛細血管が拡張し、線状に血管が浮き出て見えるタイプです。小鼻や鼻の入り口に筋状の赤みが現れ、加齢や皮脂分泌の多さ、慢性的な刺激によって徐々に目立つようになります。
ぼんやりした赤み(びまん性の赤み)
もう一つは、ぼんやりと広がる赤みです。皮脂分泌の増加や摩擦、スキンケアによる刺激などにより皮膚に炎症が起こることで生じます。
これら2つのタイプは単独で存在するだけでなく、混在していることも多く、特に皮脂分泌が多い方では両方が重なっているケースがよく見られます。
小鼻の赤みの原因
原因は一つではなく、複数が組み合わさって起こります。
皮脂分泌の多さ
特に大きな要因となるのが皮脂分泌の多さです。鼻の赤みは脂性肌や混合肌の方に多く見られます。鼻周囲は皮脂腺が発達しているため、皮脂が過剰になると毛穴が目立ちやすくなるだけでなく、炎症が持続し赤みが慢性化しやすくなります。
摩擦・刺激
さらに見逃せないのが日常的な摩擦です。クレンジングや洗顔時のこすりすぎ、無意識に小鼻を触る癖、鼻を強くかむ習慣などは、いずれも皮膚への慢性的な刺激となり赤みを悪化させます。
紫外線
紫外線による肌の酸化ストレスは血管拡張と炎症を助長し、赤みを悪化させます。
バリア機能低下
乾燥や過剰なスキンケアにより、皮膚のバリア機能が低下すると赤みが持続しやすくなります。
お薬の使用
加えて、鼻周囲は湿疹が起こりやすい部位であり、ステロイド外用薬(ロコイド軟膏やキンダベート軟膏など)を長期間使用することで、かえって赤みが悪化するケースもあります。
見極めが必要な疾患(見逃してはいけない赤み)
小鼻の赤みを診る際には、いくつかの疾患との見極めが重要です。これらは治療方針が異なるため、正確な診断が重要になります。
酒さ(赤ら顔)
酒さ(赤ら顔)は頬に出ることが多い疾患ですが、鼻だけに症状が現れるタイプもあり、毛細血管拡張に加えて丘疹やほてり感、ヒリヒリ感を伴う点が特徴です。
酒さについては酒さのページもご参照ください。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は眉間・頭皮・鼻周り・耳周りなど皮脂の多い部位に起こる湿疹で、赤みに加えてカサつきや黄色っぽいかさぶた(鱗屑)がみられることで区別できます。
脂漏性皮膚炎については脂漏性皮膚炎のページもご参照ください。
その他
- 接触皮膚炎(化粧品かぶれ)
- ニキビの炎症による赤み
- 口囲皮膚炎(開口部皮膚炎)
- 過度なピーリングによる刺激
日常ケア・ホームケアで最も重要なこと
摩擦を徹底的に減らす
小鼻の赤みの改善において最も重要なのは、いかに皮膚への刺激を減らすかという点です。洗顔はしっかり泡立てて優しく行い、タオルで拭く際もこすらず軽く押さえるようにします。特に鼻をかむ動作は日常的に見落とされがちですが、強い摩擦の原因となるため注意が必要です。
皮脂コントロール
また、皮脂コントロールも非常に重要です。アゼライン酸やナイアシンアミド、ビタミンCなどの成分は皮脂抑制と抗炎症の両面で有効であり、継続的に取り入れることで赤みの改善につながります。レチノールやトレチノインも皮脂抑制に有効ですが、刺激となる場合があるため慎重に使用する必要があります。これら成分のコスメは、韓国コスメやドラッグストアにも売られていますので是非試してみてください。
おすすめのコスメ成分
- アゼライン酸
- ナイアシンアミド
- ビタミンC
- ライスパワーNo.6
保湿・抗炎症・バリア改善
セラミドなどによる保湿やバリア機能の改善、抗炎症、紫外線対策も欠かせません。低刺激でシンプルなスキンケアを継続することが、結果的に赤み改善への近道となります。
おすすめのコスメ成分
- セラミド
- トラネキサム酸
- CICA
- ライスパワーNo.11+
紫外線ケア
日焼け止めによる紫外線対策も必要です。小鼻周りは塗り残しが発生しやすいため注意して優しく塗りましょう。
食事・生活習慣
食生活ではビタミンB群の摂取が皮脂抑制に関与するため、バランスの良い食事を心がけることも重要です。アルコール・香辛料の摂りすぎ注意や睡眠不足にも注意しましょう。
医療機関・クリニックでの治療
セルフケアで改善が難しい場合には、医療的なアプローチを組み合わせることで効果的に改善を目指すことができます。
① 皮脂抑制治療
皮脂分泌が強い場合には、マイクロボトックスによって皮脂腺の働きを抑えたり、イソトレチノインによって皮脂腺自体を縮小させる治療が有効です。
② 抗炎症治療

また、炎症が主体となっている場合には、イベルメクチンクリームやアゼライン酸、メトロニダゾールといった外用薬を用いて炎症を抑えます。メトロニダゾールは酒さに保険適用のお薬としてロゼックスゲルがあります。
③ レーザー治療(Vビーム)

血管が目立つタイプの赤みに対して特に有効なのが、Vビームによるレーザー治療です。Vビームは血管に選択的に作用し、拡張した毛細血管を破壊することで赤みを改善します。さらにぼんやりとした赤み(炎症性の赤み)に対しても効果が期待できる点が特徴です。
治療は通常5〜10回程度を目安に、2〜4週間ごとに肌状態を確認しながら行います。
適切な出力で行えばダウンタイムは比較的軽度で、赤みや腫れは数日で改善していきます。
VビームについてはVビームのページもご参照ください。
当院の治療方針
当院では、小鼻の赤みを「皮脂・炎症・血管」の3つの要素に分けて評価し、それぞれに対して最適な治療を組み合わせています。皮脂抑制、抗炎症治療、レーザー治療を併用することで、より効率的かつ再発しにくい治療を行っています。
また、一人ひとりの赤みのタイプに応じてレーザーの出力や照射方法を調整し、ホームケアまで含めたトータルでの改善を重視しています。これにより、Vビームの治療効果を最大限に引き出すことが可能になります。
よくある質問
小鼻の赤みは自然に治りますか?
軽度であればスキンケアの見直しで改善することもありますが、毛細血管拡張がある場合は自然に治ることは少なく、レーザーや光治療(IPL)などの医療的治療が必要になることがあります。
小鼻の赤みの消し方はありますか?
原因によって異なりますが、摩擦を避ける・皮脂をコントロールする・炎症を抑えることが基本です。スキンケアで改善しない場合はVビームなどのレーザー治療が効果的です。
小鼻の赤みにおすすめのコンシーラーはありますか?
グリーン系のコントロールカラーを併用すると赤みを補正しやすくなります。ただし厚塗りは毛穴や皮脂を悪化させるため注意が必要です。
小鼻の赤みは保険適用で治療できますか?
脂漏性皮膚炎や酒さと診断された場合は保険適用で外用薬治療が可能です。一方でぼんやりする赤みへのレーザー治療(Vビームなど)は基本的に自費治療となります。
小鼻の赤みは何回の治療で治りますか?
原因によりますが、レーザー治療では5〜10回程度が目安です。軽度であれば数回で改善を実感することもあります。
小鼻の赤みが治った人はどんな治療をしていますか?
皮脂抑制、抗炎症治療、レーザー治療を組み合わせることで改善しているケースが多いです。特に複合的な治療が重要です。
小鼻の赤みはスキンケアで改善しますか?
軽度の炎症による赤みであれば改善が期待できますが、血管拡張がある場合はスキンケアのみで完全に治すのは難しいことがあります。
鼻の赤みが悪化する原因は何ですか?
摩擦、皮脂の過剰分泌、紫外線、間違ったスキンケアなどが主な原因です。特に「こする習慣」は悪化の大きな要因です。
小鼻の赤みはレーザーで完全に消えますか?
完全に消えるかは個人差がありますが、多くの方で目立たなくすることが可能です。継続治療が重要です。
Vビームのダウンタイムはどのくらいですか?
赤みや腫れは数日程度で落ち着きます。適切な出力で行えば内出血は少ないことが多いです。
小鼻の赤みは再発しますか?
皮脂や生活習慣の影響を受けるため再発することがあります。継続的なスキンケアとメンテナンスが重要です。
小鼻の赤みと酒さの違いは何ですか?
酒さは赤みに加えて丘疹やほてり、ヒリヒリ感を伴うことが多く、治療方法も異なります。鼻のみ症状が出る酒さのタイプもあります。
市販薬で小鼻の赤みは治せますか?
市販薬で軽減することもありますが自己判断での使用は悪化の原因になることがあります。毛細血管拡張がある場合はレーザー(Vビーム)が有効です。
まとめ
小鼻の赤みは、皮脂・炎症・血管拡張といった複数の要因が関与するため、スキンケアだけで完全に改善することが難しいケースも少なくありません。
特に、血管が見えるタイプや長期間改善しない赤みには、適切な診断のもとで医療的治療を取り入れることが重要です。日常ケアと医療を組み合わせることで、より確実な改善が期待できます。
小鼻の赤みにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
【参考文献】
- Wu AK, Liu FF, Xie HF, Zhao ZX, Tang Y, Huang YX, Jian D, Shi W, Wang B, Li J. Clinical Features and Risk Factors for Nasal Rosacea: A Hospital-Based Retrospective Study. Dermatol Ther (Heidelb). 2021 Dec;11(6):1953-1963. PMID: 34480736.
- American Academy of Dermatology Association 10 reasons your face is red



