赤ら顔(酒さ)

2024.10.18 赤ら顔(酒さ)

酒さってどんな症状?体質も関係ある?原因や治療法を解説

酒さ画像

「酒さ(しゅさ)」とは、別名赤ら顔とも言われ、その名のとおり、お酒を飲んでいるかのように頬が赤く見える症状が特徴です。

頬や額など外からよく見える場所に症状が見られるため、悩んでいる人も少なくありません。

今回は「酒さはどんな症状なの?」「酒さはどうしてなるの?」「酒さになりやすい体質などある?」など気になる疑問を解説します。

 

酒さとは?

酒さは、顔面に赤みやほてり、小さなぷつぷつが長い間かつ繰り返し見られる病気です。

特に鼻や額、ほほなどに赤みが目立つことが多く、かゆみが見られることもあります。

 

症状が進行すると、毛穴の周りで炎症が起こりニキビに似たぷつぷつが出てきます。

ぷつぷつはニキビに似ていますが、コメドと言われる毛穴詰まりはなく、ニキビとは異なります。

鼻では放置すると肌の炎症が強くなり、皮膚が厚くなってしまい、鼻瘤(だんご鼻)を形成することもあります。

酒さは特に30代以降の方に発症しやすい傾向があります。

 

酒さの症状

酒さの主な症状は以下です。

  • ほてりがあり、一時的に顔面が赤くなる
  • 持続的に顔の赤みが見られる
  • 丘疹(きゅうしん:小さな盛り上がり)や膿疱(のうほう:膿が溜まったもの)が見られる
  • 毛細血管の拡張

 

また上記の症状に加え、以下のような症状が見られることもあります。

  • 刺すような痛み、チクチク感
  • むくみ
  • 乾燥
  • 目のかゆみや充血(眼瞼炎、結膜炎などの目の症状)

 

酒さの原因は体質にある?

酒さのきっかけにはさまざまな原因があると考えられています。

当院では多数の酒さ患者さんを診察しておりますが、きっかけとして多いのは、紫外線に長時間当たったこと、花粉皮膚炎や化粧品かぶれになります。

もともと、肌質的に肌に炎症が起こりやすい方が、このような刺激で酒さを発症してしまうと考えられています。

酒さを発症・悪化させる可能性があるものとしては、

  • 生まれつきの体質といった遺伝的な要因
  • 肌表面の血管が広がりやすい肌質
  • 紫外線
  • 寒暖差などの気候の変化
  • 飲酒(特に赤ワイン)や香辛料(シナモン、唐辛子など)
  • 特定のスキンケア用品や化粧品
  • 皮膚表面の毛包虫(ニキビダニ)感染

 

他には、ステロイド薬、心理的ストレス、マリネされた肉なども挙げられます。

自然免疫という免疫の異常が酒さの発症・悪化に関係しており、顔の血管を広げたり、炎症を起こしてブツブツができることもわかってきています(1)。

 

代表的な酒さの治療方法は?

酒さは医療機関で治療することができます。

治療をはじめる前に、酒さと似た症状の他の病気を見分けることが重要です。

酒さと似ている症状としては、ニキビ(尋常性ざ瘡)、かぶれ(接触皮膚炎)、花粉皮膚炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎があります。

 

特にニキビは酒さのぷつぷつと似ており、また酒さと一緒にみられることもありますので、酒さとニキビを見分けることが重要です。

 

酒さの治療と並行して、日々の生活の中で酒さの増悪因子を取り除く生活スタイルの見直しを心がけ、上手にコントロールすることも大切です。

 

薬物治療

内服薬では、ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリンやロキシスロマイシンなどの抗炎症作用がある抗菌薬を選択します。

外用薬では、イベルメクチン、アゼライン酸、メトロニダゾールなどを処方します。

メトロニダゾール軟膏はロゼックスゲルという名前で保険適用となりました。

他の外用薬もいずれも海外ではよく治療に使われているお薬ですが、現時点では保険適用外となります。

体質改善として桂枝茯苓丸や加味逍遥散、白虎加人参湯などの漢方薬を処方することもあります。

 

生活指導

前述したとおり、酒さは寒暖差などの気温の変化や紫外線の影響などの外的な刺激、飲酒や香辛料などの刺激物の摂取は、酒さの症状を悪化させる要因です。

日々の生活の中で、これらの刺激を回避させることも重要です。

具体的には、日焼け止めクリームや日傘の使用、乾燥を防ぐため保湿の徹底を促しています。

また、長時間の入浴、刺激物やアルコールの摂取、喫煙など症状を悪化させる要因を取り除いていくよう指導を行っています。

 

レーザー治療

薬だけでの改善が難しい場合や、より高い効果を希望される場合には、血管の開きや赤みに有効であると言われている光治療や、一部のレーザーを用いた治療も可能です。

 

当院の酒さ治療

問診や視診で酒さが疑われる場合は「冬になって暖房器具を使用するとほてりが気にならないか」「長時間外出した時に赤みが悪くならないか」「刺激物を食べると悪化しないか」など、日々の生活の中で悪化する要因がないかを具体的に確認するところからはじめます。

 

当院では、薬物での治療だけでなく、悪化要因をなるべく避けながら生活するための生活指導にも力を入れています。治療は、薬物療法に加え、以下のレーザー治療にも対応しています。

 

Vビーム

Vビームは、皮膚の赤みを伴う症状に対して幅広く有効性が認められた色素レーザー治療装置です。

肌へダメージを与えることなく、深くまでレーザーを届けることができ、毛細血管拡張や血管腫、赤ら顔などの肌の赤み治療に最適なレーザーです。

痛みは輪ゴムで弾かれる程度で強い痛みはありません。

Vビームについてはこちらもご参照ください。


 

ポテンツァ

ポテンツァはダーマペンの進化版で、マイクロニードルを肌に刺し、皮膚に極小の穴を開けて、針先から高周波(RF)を照射します。

また、ポテンツァ独自の技術により薬剤を効果的に皮下に届けることができます。

ポテンツァは毛穴やニキビ跡治療で有名ですが、酒さにも効果が高い治療になります。

酒さの原因となる赤みの血管を作るタンパク質を抑え、赤みを減らす効果があります(2)。

また酒さのほてり感・ヒリヒリ感の原因となっているTRPV-1というタンパク質を減らす効果もあります(3)。

Vビームとは違うアプローチで酒さを治療できますので、Vビームと一緒に使うことでより高い効果を実感できます(4)。


ポテンツァについてはこちらもご参照ください。


 

当院の症例

症例1 【40歳代女性】酒さ・赤ら顔

酒さ症例1

いろいろな皮膚科を受診され、ロゼックスゲルやアゼライン酸、ミノマイシン内服をされるも改善なく、当院を受診されました。当院で、肌の状態を分析し、炎症と毛細血管拡張が両方強いと判断しイベルメクチンクリームの塗り薬とVビームレーザー治療4回とポテンツァ 赤ら顔(全顔)を1回行いました。赤みがかなり改善しています。

施術 Vビームレーザー治療4回
ポテンツァ 赤ら顔(全顔)を1回
費用 イベルメクチンクリーム 30g 4,400円(税込)
Vビームレーザー全顔 32,780円(自費の場合・税込)
ポテンツァ 赤ら顔 全顔55,000円税込)
(本症例では、総額190,520円(税込))
副作用・リスク 腫れ・内出血・痛みなど

症例2 【40歳代女性】酒さ・赤ら顔

酒さ症例2

いろいろな皮膚科を受診され、酒さの治療をされるも改善なく、当院を受診されました。当院で、肌の状態を分析し、この方も炎症と毛細血管拡張が両方強いと判断しイベルメクチンクリームの塗り薬とVビームレーザー治療3回とポテンツァ 赤ら顔(全顔)を1回行いました。赤みがかなり改善しています。

施術 Vビームレーザー治療3回
ポテンツァ 赤ら顔(全顔)を1回
費用 イベルメクチンクリーム 30g 4,400円(税込)
Vビームレーザー全顔 32,780円(自費の場合・税込)
ポテンツァ 赤ら顔 全顔55,000円税込)
(本症例では、総額157,740円(税込))
副作用・リスク 腫れ・内出血・痛みなど

副作用・リスク

Vビーム

  • 施術後、肌の赤みや痛み、腫れ、炎症後色素沈着などを生じることがあります。
  • 内出血が出る場合がありますが、1~2週間程度で消退します。
  • まれに色素沈着が起こることがあります。

ポテンツァ

  • 日焼けしたときのようなヒリヒリした痛みを感じる場合があります。
  • 肌の赤みや腫れ、熱感、かさぶたなどが生じることがあります。
  • 針を刺した針穴がかさぶたになりますが、徐々に剥がれ落ちます。
  • まれに色素沈着が起こることがあります。

 

料金表

Vビーム

全顔 32,780円
両頬 21,780円
10,780円

 

ポテンツァ

全顔 1回 55,000円
両頬+鼻orこめかみ 1回 44,000円

 

酒さの治療はファラド皮膚科へ

酒さは、顔などの目立つ部分に症状が現れるため、悩んでいる方の少なくない疾患です。

当院では酒さの悪化要因などを探りながら、お一人おひとりに合った治療法を提案します。

気になる症状がある方はまずはお気軽にご相談ください。

 

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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