ニキビ跡

2025.01.31 ニキビ跡

イソトレチノインでニキビ改善!治療効果と副作用、注意点を徹底解説

イソトレチノインとは、ビタミンA誘導体を基にしたレチノイドを主成分とする内服薬で、ニキビ治療などに用いられます。

この薬は皮脂分泌の抑制、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用を持ち、重症ニキビに対して効果があるとされています。

欧米などの先進国では、難治性ニキビの治療における第一選択肢として、イソトレチノインは40年以上にわたり使用されている医薬品です。

さらに、イソトレチノインはニキビ治療には高い治療効果があり、内服を終えた後でもニキビの抑制効果が期待できます。

ファラド皮膚科のイソトレチノイン治療(症例や価格など)につきましてはこちらもご参照ください。

そもそもイソトレチノインとは

イソトレチノインとは、ビタミンA誘導体を主成分とするニキビ治療用の経口薬です。

イソトレチノインには、「アキュテイン(ACCUTANE)※欧州においては ロアキュテイン(ROACCUTANE)」「アクネトレント(AKNETRENT)」「ソトレット(SOTRET)」「アムネスティーム(AMNESTEEM)」「クララビス(CLARAVIS)」「イソトロイン(ISOTROIN)」「アクノティン(ACNOTIN)」といった複数の製品名がありますが、どれもイソトレチノインを主成分としています。

イソトレチノインは、アメリカでは1982年に「FDA(米国食品医薬品局)」により重度のニキビ治療薬として承認された歴史のある薬ですが、日本では厚生労働省からの認可がないため、保険が適用されず自由診療での治療が必要です。

イソトレチノインの主要成分であるビタミンA誘導体は、皮脂の分泌を抑制し、アクネ菌に対する抗菌作用や抗炎症作用があるため、重度のニキビに対して効果的であると考えられています。

さらに、イソトレチノインはニキビ治療に非常に効果的であり、内服を終えた後もニキビの抑制効果が期待できます。

イソトレチノインが日本で未承認の理由

イソトレチノインは、重度のニキビ治療薬として、欧米の治療ガイドラインで重症ニキビに対して高く評価されており、欧米や韓国を含むアジアの多くの国で保険適用の標準治療薬として使用されていますが、日本ではまだ承認されていません。

日本で未承認の理由は、イソトレチノインを服用中または服用後の短期間に妊娠した場合、胎児に深刻な奇形や発達障害が生じるリスクが高まるため、イソトレチノインを使用する際は、女は内服期間中、さらにその前の1ヶ月間及び服用終了後1ヶ月間は必ず避妊を行う必要があります。

よく名前を聞くお薬ですが、実はとても取扱いに注意が必要な薬です。

厚生労働省の「アキュテイン(ACCUTANE)(我が国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について」によれば、

”「『アキュテイン』(一般名:イソトレチノイン)は妊娠中の女性が服用すると胎児に催奇形性のリスクがあるため、米国食品医薬品局(FDA)は、インターネットや個人輸入を通じての入手を避けるよう警告しています」”

と注意喚起されています。

また、妊娠中や授乳中、妊活中の人々は内服薬を使用できないため、日本を含む一部の国では未承認とされており、医師が輸入して処方する場合を除いて、個人輸入が禁止されています。

 (参考ページ)厚生労働省の「 アキュテイン(ACCUTANE)(日本では未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する警告について 」 

イソトレチノインの効果

イソトレチノインの効果の効果については以下の通りです。

重症のニキビを治療するには、ニキビの原因である皮脂の過剰な分泌を抑えることが重要です。

イソトレチノインは皮脂腺を小さくする作用があるため、重度のニキビに対しても高い効果が期待されると考えられています。

1.皮脂腺を縮小して皮脂の分泌を抑制する

イソトレチノインの効果の一つは、「皮脂腺を縮小し、皮脂の分泌を抑える」ことです。

イソトレチノインは皮脂腺を縮小させる効果があり、ニキビの原因となる皮脂の分泌を減らします。

皮脂の分泌を抑えることで、ニキビの原因であるアクネ菌などの活動や定着を妨げ、ニキビの発生や炎症の進行を防ぐことができます。

2.皮膚の角化を正常化して毛穴のつまりを防ぐ

イソトレチノインの効果には、「皮膚の角化を正常にし、毛穴の詰まりを防ぐ」ということが含まれます。

イソトレチノインは、細胞に作用して毛穴の詰まり(角化異常)を改善し、表皮細胞や皮脂腺細胞などの皮膚細胞を正常な状態に整える効果があります。

皮膚細胞が正常に機能することで、皮脂が毛穴に溜まるのを防ぎ、アクネ菌などニキビの原因となる細菌の増殖を抑えることができます。

3.抗炎症作用でニキビの赤みを鎮静する

イソトレチノインの効果の一つに、「抗炎症効果でニキビの赤みを軽減する」ということがあります。

イソトレチノインは、過剰な免疫反応を正常化する作用があります。

アクネ菌などのニキビの原因となる細菌が増えると、皮膚内部ではそれを排除しようと免疫反応が働きます。

その結果、重度なニキビの場合には免疫反応が過剰に起こり、ニキビの赤みや炎症が引き起こされます。

イソトレチノインを服用することで、ニキビの赤みや炎症を抑え、赤ら顔などの症状に対処することができます。

イソトレチノイン治療による症例

ファラド皮膚科でイソトレチノイン治療を行った症例は以下の通りです。

症例1【20歳代女性】頬のニキビ(イソトレチノイン 4ヶ月内服)

ベピオやエピデュオを使うもニキビが減らず当院受診されました。診察の上、イソトレチノイン内服を開始しました。

費用イソトレチノイン20mg 30日分 16,500円
本症例では、総額66,000円(税込)
副作用・リスク乾燥、肝障害、脂質異常症、催奇形性など

症例2【30歳代女性】頬のニキビ(イソトレチノイン 7ヶ月内服)

皮膚科でベピオやディフェリン、ゼビアックス、漢方薬を使うもニキビが減らず当院受診されました。診察の上、イソトレチノイン内服を開始しました。

費用イソトレチノイン20mg 30日分 16,500円
本症例では、総額115,500円(税込)
副作用・リスク乾燥、肝障害、脂質異常症、催奇形性など

症例3【30歳代女性】額のニキビ(イソトレチノイン 6ヶ月内服)

皮膚科でベピオを使うもニキビが減らず当院受診されました。診察の上、イソトレチノイン内服を開始しました。

費用イソトレチノイン20mg 30日分 16,500円
本症例では、総額99,000円(税込)
副作用・リスク乾燥、肝障害、脂質異常症、催奇形性など

イソトレチノインによるニキビ治療がむいている人

イソトレチノインは重度のニキビ治療に使われるイメージがあるかもしれませんが、実際には中度のニキビ治療にも使用されることが増えています。

イソトレチノインを用いたニキビ治療に適している人について、具体的に見ていきましょう。

1.重症なニキビがある人

イソトレチノインは皮脂腺を小さくし、皮脂の過剰分泌を抑えることで、ニキビができにくい肌質に整える効果があります。

そのため、重症のニキビに悩み、保険診療による治療で十分な効果が得られなかった方や、繰り返しできるニキビに困っている方に適した治療法です。

2.繰り返しできるニキビに悩んでいる人

保険診療で抗生物質を長期間使用したり、塗布している場合、耐性菌が発生するリスクが高まるため、イソトレチノインによる治療が適しています。

3.ニキビ跡ができやすい人

ニキビができやすく、その跡が残りやすい人は、ニキビ自体を予防することが重要ですので、イソトレチノインによる治療が適しています。

4.ニキビに関する深刻な悩みが絶えない人

ニキビが原因で人と会えなかったり、外出できなかったり、仕事や学校に行けないなど、精神的な苦痛を抱えている場合は、早急にニキビの治療を優先することが重要です。

そのため、イソトレチノインによる治療が適しています。

5.体にニキビがたくさんある人

体にニキビが多い場合、薬を広範囲に塗るのが難しいため、イソトレチノインでの治療が適しています。

イソトレチノインを使った治療ができない方

以下に該当する方はイソトレチノインを使った治療ができません。

 イソトレチノインの治療ができない人

  • 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、妊娠を希望されている方
  • 授乳中の方
  • 12歳未満の方
  • イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、ビタミンAにアレルギー歴のある方
  • テトラサイクリン系の薬(ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン)を服用している方。
  • 副腎皮質ステロイドを内服している方
  • フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)を内服している方
  • うつ病その他の精神疾患で治療中の方
  • 肝機能障害のある方
  • 中性脂肪、コレステロールの高い方
  • 総合ビタミン剤(ビタミンA)内服中の方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 大豆アレルギーの方

妊娠中やイソトレチノインを服用中に妊娠すると、胎児に先天的な異常や奇形、流産、早産、死産のリスクが非常に高まるという副作用があります。

イソトレチノインを使用する際は、女性は服用中およびその前の1ヶ月、さらに服用終了後の1ヶ月間は必ず避妊を行う必要があります。

もし、妊娠した場合は内服を中止し、医師に相談するようにしましょう。

※イソトレチノインは、医師の指導を受けながら適切に服用し、安全性を考慮して治療を行うことが重要です。

ファラド皮膚科でのイソトレチノイン療法の診察の流れ

1.問診、検査

ニキビの発生時期や生活習慣、今まで使われてきたお薬、ホームケアなどをお伺いします。
症状の程度によっては、血液検査などをすることがあります。

2.治療法のご説明

患者さまのご希望や肌の状態をもとに、治療の全体像や治療計画をご説明します。
症状に応じた薬を処方します。

3.薬の説明や注意点

処方する薬について、使用方法や注意点をご説明します。
気になることがある場合にはお気軽にご相談ください。
食生活やスキンケア方法などを指導することもあります。

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインの副作用については以下の通りです。

イソトレチノインの副作用

  • 妊娠中の胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産
  • 鬱、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患
  • 皮膚や粘膜の乾燥症状
  • 鼻の粘膜が乾燥した場合に生じる軽度の鼻血
  • ニキビの一時的な悪化
  • 光線過敏
  • 眼瞼炎、結膜炎
  • 肝機能低下
  • 炎症性腸疾患
  • 頭痛
  • 発疹、軽度の痒み、落屑
  • 筋肉痛や関節痛
  • 血液中のコレステロール値の上昇
  • 脱毛(一時的なもので、内服終了後に回復します)
  • めまい、吐き気
  • 倦怠感、疲労

イソトレチノインの副作用にはさまざまなものがありますが、その中でも重要な副作用の一つは、妊娠中またはイソトレチノインを服用している際に妊娠が発生した場合、胎児に先天性の異常や流産、早産、死産のリスクが非常に高まることです。

また、皮膚や口、鼻、目などの粘膜が乾燥することがあり、その結果、皮膚炎、口角炎、口唇炎、鼻血、ドライアイなどの副作用が生じる可能性があります。

さらに、内服中は光への感受性が増すため、日焼けを避けるように心がけましょう。

イソトレチノインは医師の指導を受けて、適切に服用し、安全を考慮しながら治療を進めることが大切です。

イソトレチノインの飲み方

イソトレチノインの通常の服用方法は、「イソトレチノイン」20mgの錠剤を1日1回、食事中または食後に摂取することから始めます。

内服を始めてから1ヶ月目には効果を実感することが多いですが、一方で、初めの1〜2週間は薬の効果が現れる際の好転反応により、一時的に症状が悪化することがあります。

しかし、約4〜6週間後には症状が安定してきます。

内服期間は、症状によって異なりますが、通常4〜10ヶ月ほど継続します。

さらに、内服を中止しても改善効果が持続することが多いですが、ニキビが再発する場合には、症状を観察しながら再度内服を試みることがあります。

イソトレチノインの治療中の注意事項

イソトレチノインの治療中の注意事項については以下の通りです。

・妊娠、妊活、授乳

イソトレチノインを服用中に妊娠したり、妊娠中に服用すると、胎児に先天的な異常や奇形が発生するリスクが非常に高まり、流産や早産、死産の可能性も増加します。

男女ともにイソトレチノインを服用している間、その前の1ヶ月、さらに服用を終えてから1ヶ月間は必ず避妊を行ってください。

・日焼け

イソトレチノインを服用している間は、光に敏感になるため、紫外線ケアを徹底してください。

 ・献血

イソトレチノインを服用しているか、服用を終えてから1ヶ月間は献血を控えるようにしてください。

献血によって作られる血液製剤は、妊婦に使用される可能性があり、胎児に影響を及ぼすことがあります。

・レーシック手術

イソトレチノインは、レーシック手術の前後6ヶ月間も内服できません。

イソトレチノインの料金について

海外では保険適用となり病院で処方されるお薬ですが、日本では保険適用外のお薬になります。

当院でも基本的に思春期ニキビの治療は保険適用ですが、それ以外の治療は自費診療となり1日1錠の20mg/日で30日分を16,500円(税込み)で販売しています。

ニキビ治療(自費)

イソトレチノイン(イソトロイン、20mg/日)30日分 16,500円

イソトレチノインの治療を辞めた後について

イソトレチノインは、内服を辞めた後も長期にわたり効果を持続することが多いです。

皮脂の分泌が減少し、ニキビができにくい肌質を整える効果があるため、内服治療を終えてから1年以上経過しても、ほとんどニキビができないこともあります。

内服治療が終わった後にニキビが再発することがあっても、治療前よりも良い状態が保たれることが多く、イソトレチノイン治療開始前の状態に戻ることはまれです。また、ニキビの外用薬を使用することで、状態の維持や予防が期待できます。

それでもニキビが続く場合は、再びイソトレチノインの服用を始めることがあるかもしれません。

ニキビ跡が気になる方へ

イソトレチノインはニキビ跡の改善には大変効果的ですが、ニキビやニキビ跡にお悩みの方は、更なるお肌のトラブルを避けるためにも自己判断での治療は避け、専門の皮膚科での診察を受けることをおすすめします。

また、自己判断で服用するのは大変危険なお薬です。

まずは専門的に相談し、適切な治療を受けることで、より早く確実に効果を実感することができます。

ニキビ跡などでお困りならお気軽にファラド皮膚科にご相談ください。

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

<イソトレチノイン「未承認医薬品等」の表示>

  • 未承認医薬品等:イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。
  • 入手経路等:当院医師の判断の元、インドのCipla社から個人輸入しています。
  • 国内の承認機器の有無:国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
  • 諸外国における安全性等に係る情報:米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。
    胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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