ニキビダニ

2025.03.24 ニキビダニ

赤ら顔(酒さ)の原因はニキビダニ⁉ニキビダニと顔の赤み(酒さ)の関係を知ろう

顔の赤み(酒さ)とニキビダニの関係とは

顔の赤み(酒さ)の主な原因とは

顔の赤み(酒さ)の原因は、はっきりしていませんがなりやすい肌質(遺伝的な背景)や、皮膚表面の免疫不調、血管を開いたり閉じたりする神経が敏感になっていること、顔の表面のデモデックス(Demodex)というニキビダニなどが言われています。

また、皮膚が薄いことや皮膚バリアが弱いこと、紫外線によるダメージなども赤みを引き起こす主な原因とされています。この他にも、ストレス、乾燥、不適切な化粧品やスキンケア製品が悪化要因となることがあります。

酒さは、血管が開くような刺激で症状が悪くなるため、暖房で寒暖差が大きい冬に悪化する方が多くなります。赤みが強くなり、ほてったように感じます。

また酒さの方は、花粉症を持っていることが多く、春のスギ・ヒノキ花粉が飛ぶ時期は赤みが増したり、かゆみが出たり肌の調子が悪くなることも多いです。

さらに紫外線が強くなってきた6月くらいに赤みが悪くなる方もいらっしゃいます。他には、入浴後、運動後、食後、辛いものを食べる、飲酒後、など血行がよくなる行動をしたあとに赤みが増すことが多くなります。

 

赤ら顔(酒さ)や敏感肌とニキビダニの関係性

赤ら顔(酒さ)や敏感肌の人は、ニキビダニの増殖が肌状態に関与しているケースが多いと言われています。

敏感肌の状態では皮膚のバリア機能が低下しており、ニキビダニが引き起こす炎症が顔の赤み(酒さ)を悪化させる可能性が高まります。酒さ患者さんは特に頬や鼻、顎の周辺に赤みが集中しやすく、症状が進行すると血管の拡張や皮膚の浮腫みが目立つ場合もあります。

 

ニキビダニとは?その役割と影響

ニキビダニ(学名: Demodex、毛包虫とも呼ばれる)は、人間の皮膚に常在する小さなダニで、特に顔の毛穴や皮脂腺に多く存在します。

通常は肌をお掃除する役割を果たし、皮脂や老廃物を分解することで、皮膚の環境を整えるのに貢献していると言われています。

しかし、ニキビダニが過剰に増殖した場合、肌バリアを破壊する可能性があり、炎症や刺激を引き起こし、赤ら顔(酒さ)やニキビ(尋常性ざ瘡)といった症状を悪化させる原因になることがあります。

 

ニキビダニが増殖する原因

ニキビダニの増殖にはいくつかの要因があり、特に皮脂分泌の増加が大きな原因とされています。

ストレスによるホルモンバランスの乱れや、栄養不足、飲酒などが皮脂の分泌を過剰にすることがあります。

また、不適切な洗顔方法や化粧品による毛穴の詰まりも、ニキビダニが繁殖する環境を整える原因となります。

さらに、加齢により免疫機能が低下することや、ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)で、ダニの制御が難しくなることも指摘されています。

 

ニキビダニによるトラブルが引き起こす症状

ニキビダニが増殖すると、赤ら顔(酒さ)の他にもニキビなど、さまざまな問題が発生するリスクがあります。

これは、ニキビダニの活動が皮膚のバリアを破壊したり、毛穴を詰まらせたりするためです。

また、皮膚のかゆみやほてり、膿疱ができることもあります。

特に敏感肌や炎症に悩む方には、これらの症状が顕著に現れるため、適切なケアが重要です。

 

ニキビダニ対策のためのスキンケアの基本

洗顔と清潔な肌環境を保つ重要性

赤ら顔(酒さ)の原因の一つとされるニキビダニは、皮脂をエサに増殖します。

そのため、適切な洗顔で余分な皮脂や汚れを落とし、清潔な肌環境を保つことが重要です。

ただし、洗顔をしすぎると皮脂が過剰分泌され、逆にニキビダニが増殖しやすい状態になることもあります。

朝夜の2回を目安に過度な洗顔を避けながら、適切な頻度と方法で洗顔を行いましょう。

 

摩擦を避けた洗顔方法のポイント

洗顔時に顔をゴシゴシ擦ると、皮膚が傷つき、バリア機能が低下して赤みやニキビが悪化する原因になります。

泡立てネットなどを使ってたっぷりの泡を作り、その泡で顔を包み込むように優しく洗いましょう。

洗顔後はタオルでゴシゴシ拭かず、軽く押さえるように水分を吸収させると良いです。

特に赤ら顔(酒さ)などで敏感になっている肌には、摩擦を避けることがとても重要です。

 

成分選びのコツ:避けるべき刺激物と有効成分

赤ら顔(酒さ)対策のためには、スキンケア製品の成分を慎重に選ぶことが必要です。

アルコールや合成香料、強い洗浄成分は、皮膚を刺激して赤みを悪化させる恐れがあります。

一方、アゼライン酸やセラミド、ヒアルロン酸、ナイアシンアミドなど、保湿やバリア修復を助ける成分を含む製品は肌に優しく、トラブルの予防に役立つでしょう。

赤ら顔の方では、特に肌の保湿成分セラミドが減っていることがわかっており、スキンケアとしてセラミドを取り入れることが大切です。

 

保湿がニキビダニ対策に役立つ理由

肌の乾燥は、皮脂分泌を過剰にさせることでニキビダニの増殖を助長する可能性があります。

そのため、スキンケアにおける保湿は非常に重要です。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が含まれた化粧品を、洗顔後や入浴後などのタイミングで使用することで、肌の水分を保ちながらバリア機能を整えましょう。

また、アルコールフリーの製品を選ぶことで敏感な肌の刺激を避けることができます。

 

紫外線対策の重要性とその方法

紫外線は皮膚を刺激し炎症を起こし、さらに皮膚の免疫を落としてしまいます。そのため、赤ら顔(酒さ)の症状を悪化させる要因とされています。日常的な紫外線対策が欠かせません。

日焼け止めを選ぶ際は、肌に優しい低刺激タイプで、アルコールや香料が含まれていないものを選ぶのがおすすめです。

また、SPF値やPA値が必要以上に高いものは、紫外線吸収剤が多く入っていることがあり、肌負担が大きく逆効果になることもありますので、適度なものを選びましょう。

紫外線対策には、帽子や日傘などの物理的な遮蔽物の使用も有効です。

 

生活習慣を見直してより良い肌環境を作る

食生活とニキビダニの関連性:避けるべき食品

赤ら顔(酒さ)の原因のひとつにニキビダニの増殖が挙げられますが、食生活はその増加に大きく影響を与えます。

血糖値が上がりやすい食事(グリセミック・インデックスが高い食事)を過剰に摂取すると、皮脂分泌が活発になり、ニキビダニが繁殖しやすい環境を作ります。

特に揚げ物や加工食品、スナック類、そして過剰なアルコール摂取は避けた方がよいでしょう。

一方、抗炎症作用が期待できるオメガ3脂肪酸を含むサーモンや青魚、免疫を高めるビタミンCが豊富な果物や野菜を積極的に取り入れることで、顔の赤みを改善するサポートになります。

 

睡眠の質が肌に与える影響

良質な睡眠をとることは、赤ら顔(酒さ)を含めた肌トラブルを軽減するために欠かせません。

寝不足や不規則な睡眠習慣は肌の新陳代謝を低下させ、皮膚のバリア機能を弱めることで、赤みや炎症を引き起こすリスクを高めます。

特に成長ホルモンが分泌される夜の22時から2時の間にしっかりと眠ることが重要です。

アルコールやカフェインを控え、リラックスした状態で就寝するよう心がけましょう。

 

ストレスを溜めないための方法

ストレスは顔の赤み(酒さ)を悪化させる大きな要因のひとつです。

ストレスによるホルモンバランスの乱れが皮膚のバリア機能を低下させ、酒さや敏感肌の症状を悪化させることがあります。

そのため、自分に合ったリラクゼーション法を見つけることが重要です。

 

まとめ

顔の赤み(酒さ)を軽減するためには日常的なスキンケアが重要です。

まず、洗顔ではゴシゴシとこすらず、低刺激の洗浄料を使用して肌を優しく洗い上げることが大切です。

また、スキンケア製品はアルコールや香料が含まれていないものを選ぶことを心がけましょう。

また、十分な保湿も皮膚の健康を保つうえで欠かせません。

紫外線対策も赤みを抑える大事なステップなので、外出時には日焼け止めを必ず塗布するようにしましょう。

そしてストレスをなるべく溜めこまないことを心がけましょう。

 

赤ら顔(酒さ)が改善しない場合は上野御徒町ファラド皮膚科へ

赤ら顔(酒さ)の症状がスキンケアや生活習慣の見直しで改善しない場合は、皮膚科を受診することが重要です。

赤ら顔は皮膚の状態が複雑に関わっているため、自己判断でのケアでは限界がありますし、もしかしたら別な疾患が原因の場合もあります。

専門の医師による診断を受けることで、症状の原因を正確に特定し、適切な治療につなげることができます。特に、顔の赤みが持続的で、日常生活に支障をきたしている場合や、痛みやほてりが強い場合には、早期診療が推奨されます。

ファラド皮膚科では、塗り薬、内服薬、レーザーなど、症状に合わせて適切な診断と治療を行います。

赤ら顔(酒さ)のお悩みがある場合は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

 

【ニキビダニの詳しい解説と当院症例はこちら】

 

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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