イソトレチノイン

2025.03.20 イソトレチノイン

ニキビ治療の最新トレンド!イソトレチノインってどんな薬?

イソトレチノインとは?基本情報とその特徴

イソトレチノインの成分と仕組み

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体の一種で、主に重度のニキビ治療を目的とした内服薬です。

その成分であるレチノイドには、皮膚の再生を助ける作用があり、ニキビの根本的な原因に対する強力な改善効果が期待されます。

イソトレチノインの特徴的な仕組みとしては、皮脂の分泌を抑える作用や、毛穴の詰まりを緩和する作用が挙げられます。

この薬を使用することで、ニキビを引き起こすアクネ菌の増殖や皮膚の炎症を抑制し、ニキビの悪化を防ぎます。

 

ビタミンA誘導体としての役割

イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種であり、この特性によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を正常化する役割を果たします。

ビタミンA誘導体の主な効果として、皮脂腺の働きを抑えることで、過剰な皮脂分泌を抑制します。

また毛穴の入口の皮膚に作用し毛穴詰まりしにくく調節する作用があり、ニキビの原因となる毛穴の詰まりの予防が可能です。

また、炎症を引き起こす物質の生成も抑えられるため、ニキビやニキビ跡の炎症を鎮める効果も期待されます。

これにより、頑固なにきびや難治性のニキビケアに有効性が高いとされています。

 

イソトレチノインの歴史

イソトレチノインは、世界的に広く使用されている薬で、特にアメリカをはじめとした欧米諸国では、40年以上にわたり重度のニキビ治療に利用されています。

欧米諸国では医療機関での処方が一般的であり、非常に高い治療実績を持つ薬として信頼されています。

日本では自費治療薬としての位置づけになりますが、保険診療のお薬では治療が難しい難治性ニキビ治療の重要な選択肢となっています。

 

治療から予防まで。イソトレチノインの効果

重度・難治性ニキビへ有効

イソトレチノインは、重度のニキビ治療において非常に高い効果を示す薬です。

特に、従来の治療法では改善が見られなかった難治性ニキビに適応されます。

この薬は、ニキビの発生原因に直接作用するため、皮膚科医の間でも重宝されています。

イソトレチノインは、他のニキビ治療薬に比べて、より根本的な治療が可能な点が大きな特徴です。

 

皮脂の分泌抑制と抗炎症作用

ニキビの原因の一つである皮脂の過剰分泌を抑えるのが、イソトレチノインの大きな作用の一つです。

この薬がビタミンA誘導体であるため、皮脂腺の機能を直接的に抑制し、余分な皮脂が毛穴に溜まるのを防ぎます。

また、抗炎症作用があるため、既に発生している炎症性ニキビにも有効です。

これにより、赤く腫れたニキビや膿を伴う重度のニキビが改善され、肌全体の健康状態も向上します。

さらに、アクネ菌の増殖を抑える働きもあり、総合的にニキビの治療に高い効果を発揮します。

 

治療後のニキビ再発予防について

イソトレチノインのもう一つの重要なメリットは、治療後にニキビの再発を抑える効果があることです。

6〜10ヶ月間イソトレチノインを服用すると、治療が完了してから数年にわたって新たなニキビの発生が起こりにくくなると報告されています。

この持続的な効果は、イソトレチノインが根本的なニキビの原因に働きかけるためです。

ただし、完全な再発防止のためには、累積投与量(患者の体重に基づく)が重要とされており、皮膚科医と密に相談しながら治療計画を立てることが重要です。

また、治療後も正しいスキンケアを継続することで、さらなる再発防止につながります。

 

イソトレチノイン治療の注意点と副作用

治療中に考慮すべきリスク

イソトレチノイン治療を行う際には、いくつかのリスクを事前に把握しておく必要があります。

この薬は強力な効果をもつ一方で、副作用のリスクもあるため、医師の指導の下で慎重に使用することが求められます。

特に、皮脂分泌を抑える効果があるため、肌や唇が極度に乾燥することが一般的です。

また、稀に肝機能への影響や血中脂質の変動が生じることがあるため、治療中は定期的な血液検査を通じて身体の状態を確認する必要があります。

 

妊娠中・授乳中の危険性

イソトレチノインは妊婦や授乳中の方には使用が禁止されています。

そのため、治療を開始する女性は、服用期間および服用終了から1か月間にわたって確実な避妊を行う必要があります。

皮膚科や専門医では、こうしたリスクに対する十分な説明と適切なカウンセリングが実施されますので、治療を受ける前に必ず個別相談を行ってください。

 

一般的な副作用と症状への対処法

イソトレチノイン治療では、乾燥肌や唇のひび割れ、鼻の乾燥による鼻出血などの副作用が起こる場合があります。

これらの症状に対しては、保湿剤や専用のリップクリームを使用することで対処が可能です。

また、一部の患者では吐き気や頭痛、関節痛といった症状がみられる場合があります。

 

長期的な視点でのスキンケアの重要性

イソトレチノイン治療は高い効果を発揮しますが、治療終了後も油断せずに継続的なスキンケアを行うことも重要です。

ニキビの再発防止には、生活習慣の改善や適切なケアも欠かせません。

特に、皮脂の分泌バランスを維持するために、洗顔や保湿ケアをしっかり行い、肌を清潔に保つことが必要です。

また、過度のストレスや不規則な生活習慣はニキビの原因になりえるため、これらを回避する生活環境の見直しも大切です。

イソトレチノイン治療を受けた後でも、皮膚科医の定期的なフォローアップを活用しながら、自分の肌質や体質に適したケアを続けることで、長期的な視点で健康な肌状態を保ちましょう。

 

治療期間の目安と結果を最大化するためのポイント

体重に基づく治療の計画

 イソトレチノインの治療は、個々の患者の体重に基づいて計画されます。通常、初期の投与量は0.5~1.0mg/kgの範囲です。この計算による投与量は、患者ごとに適切に調整され、治療効果を最大化すると同時に副作用のリスクを最小限に抑えることを目的としています。また、累積投与量として120~150mg/kgが目安とされています。この数値を達成することで、ニキビ再発のリスクを大幅に低減できると言われています。専門医の指導のもと、患者の体調や反応を見ながら柔軟に治療計画を進めることが重要です。

一般的な治療期間と期待できる改善効果

 イソトレチノインの治療期間は、通常4~10か月とされています。ただし、患者のニキビの重症度や体重によって期間が異なる場合があります。この期間中、皮脂の分泌が抑制され、毛穴の詰まりが解消されるため、多くの患者で顕著な改善が見られます。医学的研究によると、重度のニキビ患者において治療後の改善率は90%を超える場合もあります。また、イソトレチノインは治療終了後も数年間にわたって効果が持続する可能性があります。治療途中で明確な効果を感じない場合でも、医師の指導を受けつつ忍耐強く継続することが大切です。

継続的管理と再発防止のための方法

 治療終了後にニキビが再発しないよう、継続的な管理が必要です。特に、累積投与量が120~150mg/kgに達していない場合は、治療終了後にニキビの再発リスクが高まる可能性があるため、経過観察が欠かせません。また、再発防止のためには日々のスキンケアが重要です。毛穴の詰まりを防ぎ、皮脂バランスを整えるジェルやクリームを使用することで、肌環境を安定させることができます。さらに、治療後も皮膚科医の定期診察を受けることでトラブルが発生する前に適切な対策を講じることが可能です。個別のニキビケアと日常的な保湿管理を徹底することで健康な肌を維持しましょう。

 

イソトレチノインが気になったら上野御徒町ファラド皮膚科へ

ニキビ治療にはさまざまなアプローチがありますが、イソトレチノインは特に重度のにきびや難治性ニキビに効果的だとされています。

その一方で、イソトレチノインは服用量や服用期間など個々に合わせての処方が必要だったり、副作用への注意も必要です。

ファラド皮膚科では、イソトレチノインの治療を始める場合、他の治療法との比較やそれぞれのメリット・デメリットもご説明の上、安心して治療を受けていただけるようにしています。

当院では、豊富な治療経験や最新の論文データに基づく知見からその方に合った飲み方や適宜他治療の併用を行いカスタマイズしたニキビ治療を行っております。

ニキビに悩んでいる方やイソトレチノインが気になる方はお気軽にご相談ください。

 

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

 

【イソトレチノインの詳しい解説や当院症例はこちら】

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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