脂腺増殖症

2025.03.10 脂腺増殖症

これってニキビ?いぼ?もしかしたら脂腺増殖症の可能性も

脂腺増殖症とは

脂腺増殖症とは、皮膚に存在する脂腺が異常に増加することで発生する良性の皮膚疾患です。

この症状は主に顔に見られやすく、額や鼻、頬などに小さな黄色または白色の隆起ができるのが特徴です。

サイズは直径1~5mm程度で、中心部がくぼんでいる場合もあります。

痛みやかゆみはなく、ニキビやいぼと見間違われることがありますが、これらとは異なる疾患です。

特に中年以降、30~40代以降の方に多く見られますが、20代で発症することもあります。

老人性いぼ(脂漏性角化症)や稗粒腫との違い

脂腺増殖症は、老人性いぼや稗粒腫と見た目が似ているため混同されることがあります。

しかし、これらの疾患にはいくつかの違いがあります。

老人性いぼは角質や表皮の増殖によるもので、触れるとザラザラしているのが特徴です。稗粒腫では、硬い角質の塊が皮膚に埋まっていることが特徴で、白さが強く、硬い特徴があります。

一方、脂腺増殖症は滑らかで、皮脂腺の増加が原因であることから、中心部がくぼんでいたり、独特の隆起を伴います。診断には皮膚科専門医による判断が重要です。

ウイルス性いぼやホクロとの混同

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脂腺増殖症は、ウイルス性いぼやホクロとも誤解されるケースがあります。

ウイルス性いぼは感染によるもので、人にうつる可能性がありますが、脂腺増殖症は感染性がありません。

また、ホクロはメラニン色素による色の変化を伴うのに対し、脂腺増殖症は黄色または白色の色合いが主です。

これらの違いを見極めるためにも、早めの皮膚科での診断が必要です。

ニキビと誤解されるケース

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脂腺増殖症はその見た目から、ニキビと誤解されることが多い症状です。

しかし、脂腺増殖症はニキビと異なり痛みや炎症を伴わず、自然に治ることがありません。

さらに、ニキビは皮脂の詰まりや細菌感染が原因である一方、脂腺増殖症は皮脂腺自体の増殖によるものです。

自己判断でニキビのケアを続けると症状を悪化させる可能性があるため、専門的な診断と適切な治療を受けることが重要です。

 

専門家の診断が必要な理由

見た目では判断できない病気の危険性

脂腺増殖症は、見た目が似ている他の皮膚疾患との見分けが難しい症状です。そのため、素人による自己判断は危険です。

例えば、脂腺増殖症はニキビやウイルス性のいぼ、または脂漏性角化症と外観が似ていることが多く、症状が誤解されやすい特徴があります。

どの疾患も適切な治療が求められ、放置すると症状が悪化することがあるため、専門家の診断が重要になります。

皮膚科でどのような診断が行われるか

皮膚科では、脂腺増殖症が疑われる場合、視診や必要に応じて拡大鏡、ダーモスコピーなどを使用して詳細に観察します。

これにより、脂腺増殖症とニキビ、いぼ、その他の疾患との違いを確認します。

また、悪性のできものと判断が難しいケースでは、顕微鏡による組織学的検査が行われる場合もあります。

これらの診断方法により、症状や発生の原因を正確に把握し、適切な治療につなげることが可能です。

適切な治療を受けるタイミングの重要性

脂腺増殖症は自然に消えることがなく、放置すると徐々に進行し、大きさが増したり、数が増えたりすることがあります。

早い段階で症状を認識し、皮膚科で診断を受けることで、症状が目立たないうちに治療を開始できます。

特に顔に発生することが多い脂腺増殖症は、美容面でのダメージが懸念されるため、適切なタイミングで専門的な治療を受けることが推奨されます。

誤った治療が症状を悪化させる可能性

自己判断での誤ったセルフケアや、市販薬の使用による治療は、脂腺増殖症を悪化させるリスクがあります。

例えば、ニキビ用の治療薬を使ったり、いぼと誤解して皮膚をむやみに刺激すると、症状が悪化し、治療が困難になる場合があります。

脂腺増殖症の症状や原因に適した治療を受けるためには、皮膚科の診断・指導を受けることが不可欠です。

また、日常生活では過剰な刺激やセルフケアを避けることも重要です。特に、自分で症状を無理に押しつぶしたり、強い化粧品を使用することは症状の悪化を招く可能性があります。その代わりに、肌の清潔を保ち、保湿ケアを欠かさず行うなどの基本的なスキンケアを心がけましょう。

 

脂腺増殖症の早期診断・早期治療は上野御徒町ファラド皮膚科へ

脂腺増殖症は顔やその他の部位に発生する特徴的な症状を持ちますが、ニキビやいぼなどの他の皮膚疾患と見た目が似ているため、自己判断で誤解されることが少なくありません。

そのため、症状を確認した際には自己流でのケアを控え、皮膚科専門医による診断を受けることが早期診断・早期治療につながる最大のポイントです。

脂腺増殖症は自然に治ることがなく、経過とともに大きくなる可能性があるため、適切なタイミングでの治療が重要です。

ファラド皮膚科では、内服薬治療や傷が目立たなくなる特殊な術式など、症状に合わせて適切な診断と治療を行います。

もしかしたら脂腺増殖症かも、と心配になった場合は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

 

【脂腺増殖症の詳しい治療方法や当院の症例はこちら】

 

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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