シミ

2024.05.17 シミ

【しみの種類】しみにお悩みの方はチェックタイプに合わせた治療法を解説

 

「年齢を重ねるにつれて、気になるしみが目立ってきた」というお悩みはありませんか。

一般的にしみと呼ばれている症状には、さまざまな種類があります。

 

ここではしみに悩んでいる方に知ってほしいしみの種類と、自宅でできるケア方法について紹介します。

後半ではクリニックで受けられるしみのタイプに合わせた治療方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

しみの種類とは

一般的にしみと呼ばれる症状には、さまざまな種類があります。

ここでは代表的なしみの種類について、原因や見た目の違いなどを紹介します。

 

老人性色素斑(日光黒子)

紫外線の影響で作られるタイプのしみです。顔や手の甲、腕、背中など日焼けをしやすい部分に作られやすい傾向があります。

特徴としては、加齢によって数が増える・大きくなる・盛り上がるなど形が変わることです。

また大きさは1cmほどで、茶色で境界線がくっきりとした見た目をしています。

 

炎症後色素沈着

ニキビやケガ、虫刺され、摩擦などの影響で皮膚に炎症が起こった後に、メラニン色素が作られることで起こるタイプのしみです。

メラニン色素が過剰に作られた結果、肌のターンオーバーが間に合わずに、メラニン色素が肌に蓄積して症状が起こると考えられています。

幅広い年代で起こる可能性があり、見た目は灰色や茶色、紫色などさまざまです。

 

肝斑

妊娠や出産、経口避妊薬(ピル)の影響で作られるタイプのしみです。両頬から目の周りにかけて、左右対称な茶色のしみが見られます。

20代後半から出やすくなるしみで、紫外線や摩擦の影響でしみが濃くなることもあります。

 

雀卵斑(そばかす)

紫外線の影響や、体質によって作られるタイプのしみです。

子どもから大人まで出る可能性があり、紫外線を浴びると数が増えてしまうこともあります。

目の下や頬~鼻にかけて、特徴的な細かく茶色いポツポツとしたしみができます。

 

後天性真皮メラノサイトーシス

遺伝の影響が関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだ不明です。

しみの原因となっている黒色メラニン色素を作るメラノサイトという細胞が、表皮ではなく真皮に残ってしまうことで症状が起こると言われています。

 

頬やおでこ、鼻、手足などにできるしみで、10代~30代に出やすいしみです。

肌の内側にある真皮層にメラニン色素が作られてしまうため、見た目は灰色や青色をしています。

 

種類 原因 発生部位 特徴
老人性色素斑(日光黒子) 紫外線の影響 顔、手の甲、腕、背中等 加齢による数の増加、
大きくなり盛り上がる、
茶色、1cm程度、境界線がくっきり
炎症後色素沈着 ニキビ、ケガ、虫刺され、摩擦等による炎症後 全身 メラニン色素の過剰生成による、
灰色・茶色・紫色など多様な色
肝斑 妊娠、出産、経口避妊薬の使用等 顔(両頬から目の周り) 左右対称の茶色のしみ、
紫外線や摩擦によって濃くなることもある
雀卵斑(そばかす) 紫外線の影響、遺伝的体質 目の下、頬から鼻にかけて 細かく茶色いポツポツ、
紫外線で数が増える
後天性真皮メラノサイトーシス 明確な原因不明、遺伝的影響が考えられる 顔(頬、おでこ)、鼻、手足等 真皮にメラニン色素が残る、
灰色や青色の見た目、
10代~30代に出やすい

 

しみについてはこちらもご参照ください。

 

しみを改善するための生活習慣・ケアとは

しみを増やさないためには、生活習慣の見なおしや肌に負担とならないケアが大切です。

ここでは自宅でできる代表的な方法について紹介します。

 

紫外線から肌を守る

紫外線の影響でメラニン色素が作られてしまうと、しみが作られやすくなります。

一般に加齢による老化と思われがちですが、実は紫外線による慢性損傷の結果です。

光老化は、自然老化とは異なり、紫外線の防御対策によって防ぐことができます。

 

日焼け止めクリームやUVケア効果が期待できる化粧品を使用してみましょう。

紫外線を肌が浴びにくいように、帽子や日傘、アームカバーなどを着用するのもおすすめです。

 

十分な睡眠をする

睡眠不足が続いてしまうと、女性ホルモンのバランスが乱れやすくなり、ターンオーバーの働きも低下してしまいます。

熟睡したと感じるような質のよい睡眠ができるようにしっかりと休息しましょう。

とくに「なかなかぐっすり眠れない」、「寝ても疲れがとれない」と感じている方は、体内時計の乱れに注意が必要です。

 

「睡眠ホルモン」と呼ばれているメラトニンは、体内時計に関わっているホルモンで、光によって分泌量が調整されています。

そのため眠る直前までテレビやスマートフォンの画面など強い光を見てしまうと、メラトニンの分泌量が減り、体内時計が乱れやすくなります。

 

体内時計の乱れが続いてしまうと「寝つきが悪い」、「夜中に何度も目が覚める」、「早く目が覚めてしまう」、「ぐっすり眠れない」など不眠の症状が起こりやすくなってしまうのです。

また暴飲暴食、運動不足、夜更かしなどの生活習慣の乱れも不眠につながると言われています。

毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴びるなど規則正しい生活習慣を身につけて、不眠になりやすい生活習慣を改善できるように努めましょう。

 

食事で栄養をとる

しみ予防にはビタミンA、C、Eといった栄養素を積極的にとることが大切です。

ビタミンAは主に緑黄色野菜に含まれている成分で、肌のターンオーバーを正常化する働きがあります。

またビタミンCは主に果物に含まれている成分で、メラニンを作られにくくして、肌の酸化を防ぐ抗酸化作用という働きが知られています。

 

さらにビタミンEは主にナッツ類に含まれている成分で、ビタミンCと同様に抗酸化作用があります。

これらの栄養素を毎日の食事で積極的に摂取しましょう。

 

クリニックでの治療

ここでは当院で対応しているしみ治療について、それぞれの特徴や期待できる効果を紹介します。

 

<フォトシルクプラスLUXEA(ルクセア)>

フォトシルクプラスLUXEA(ルクセア)

施術内容

500~950nmの波長を照射できる光治療機器です。

しみの原因となっているメラニン色素に対する反応性が高く、従来の方法では除去しきれなかったような薄いしみにも効果が期待できます。

しみやそばかす、肌全体の色味が気になる方におすすめな施術です。

 

当院の特徴

顔全体に施術することで、見た目だけではわからないような小さなしみにもアプローチしています。

またダウンタイムを気にされる方や、肌状態によってテープを貼付できない方にも向いた施術です。

期待した効果を実感できるまでの期間には個人差があります。

当院の目安としては4週間の間隔で5~6回です。期待した効果を長く実感したい方は、2~3か月に1回を目安に定期的な施術も可能です。

 

料金

 

「自由診療」

以下の施術は、公的医療保険が適用されない自由診療です。

顔全体 1回 27,280円(税込)

※成長因子入りマスクパック(3,300円)を併用すると、美肌効果がさらに期待できます。
※施術をご希望の方はWeb受付から時間予約の利用も可能です。

フォトシルクプラスLUXEA(ルクセア)についてはこちらもご参照ください。

 

<Qスイッチルビーレーザー>

Qスイッチルビーレーザー

施術内容

694nmという波長のレーザーを照射する施術です。正常な肌には反応せずに、メラニン色素にだけ反応するため、従来のレーザー施術に比べると副作用のリスクが少なくなります。

一般的なしみの他にも、青アザや茶アザにも対応できる施術です。

 

当院の特徴

幅広いしみの種類に、Qスイッチルビーレーザーで対応しています。

保険適用内では、「後天性真皮メラノサイトーシス」の施術が受けられます。

当院の目安としては3か月ごとの頻度で3~4回です。

色素沈着の症状が起こっている方など肌の状態によっては施術間隔を6か月ごとにすることもあります。

 

また保険適用外の自由診療では「老人性色素斑(日光黒子)」の施術が受けられます。

ほとんどの場合、1回の施術で期待した効果を実感しやすい施術です。

ただし皮膚状態を確認するため、2週間後に再診が必要です。

 

※期待した効果を実感できるまでの期間には個人差があります。
※その他のしみについても、Qスイッチルビーレーザーで対応できる場合があります。詳しくは医師までご確認ください。

 

料金

 

「保険診療」

約6,000〜12,000円

※3割負担の場合に必要な料金の目安です。
※照射面積で料金が変わります。
※都内在住で高校生までのお子様は実費0円です。

 

「自費診療」

以下の施術は、公的医療保険が適用されない自由診療です。

しみの直径が5mmまで 5,500円(税込)

※5mm以上は5mmごとに5,500円(税込)の追加料金が必要です。

 

Qスイッチルビーレーザーについてはこちらもご参照ください。

 

<ナノトレチノイン・ナノハイドロキノン>

ナノトレチノイン・ナノハイドロキノン

施術内容

トレチノインとハイドロキノンという成分の塗り薬を処方します。

医師の指示に従って薬を塗布してください。

メラニンを作られにくくしながら、メラニンの排出を促進して肌質を整える働きが期待できます。

しみ以外にも、くすみ・肌のハリ・小じわ・肝斑・毛穴のお悩みがある方に向いた治療です。

 

当院の特徴

「トレチノイン」は肌のターンオーバーを促進してしみを排出しやすくする働きと、肌にとって大切な成分であるコラーゲンを作られやすくする働きが期待できます。

「ハイドロキノン」はメラニン色素を作られにくくして、メラニンの産生量を減らす働きが期待できます。

 

トレチノインやハイドロキノンは副作用として赤みやカサツキが起こりやすいと言われています。

当院で使用している「ナノトレチノイン」と「ナノハイドロキノン」は、有効成分をナノカプセルで包み込んでおり、少しずつ薬を放出できるように調整された製剤です。

そのため従来の製品に比べて赤みやカサツキといった副作用が起こりにくいと言われています。

 

料金

 

「自由診療」

以下の施術は、公的医療保険が適用されない自由診療です。

ナノトレチノイン(15g、顔に使用した場合:約3か月分) 14,300円(税込)
ナノハイドロキノン(15g、顔に使用した場合:約3か月分) 5,280円(税込)

美白外用薬(肌再生プログラム)についてはこちらもご参照ください。

 

当院の症例

 

【40歳代女性】両頬の肝斑、老人性色素斑

両頬のシミがお悩みで当院を受診された患者さんです。

肝斑と老人性色素斑があり、まずは肝斑からハイドロキノン・トレチノインの塗り薬を始めました。

3ヶ月で肌のキメがよくなるのと同時に両頬の肝斑がかなり薄くなっています。

 

【費用 】ナノトレチノイン 15g 14,300円(税込)、ナノハイドロキノン15g 5,280円(税込)(本症例では、総額19,580円(税込))

【副作用・リスク】赤み、かさつき、かぶれなど

 

 

しみにお悩みの方は、上野御徒町ファラド皮膚科へ

しみの種類にはさまざまなものがあります。

当院では複数の治療方法により、しみのタイプや肌悩みに合わせた治療が受けられます。

しみの症状にお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。

 

 

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

 

 

副作用・注意事項等

 

「フォトシルクプラスルクセア」

 

禁忌
  • 妊娠している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方
  • ケロイド体質、光アレルギーのある方、ヘルペス症状のある方
  • 強い日焼けがある方

 

治療上の注意が必要な方
  • 肝斑のある方(肝斑の再発リスクや悪化リスクがあります。)
  • アートメイクのある方(アートメイク部位は避けて照射します。)

 

「Qスイッチルビーレーザー」

 

禁忌
  • 妊娠している方、妊娠の可能性がある方
  • 皮膚に強い炎症や湿疹がある方
  • 強い日焼けがある方

 

「ナノトレチノイン・ナノハイドロキノン」

 

禁忌
  • 妊娠している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方

 

副作用

「フォトシルクプラスルクセア」赤み、腫れ、色素沈着など
「Qスイッチルビーレーザー」痛み、赤み、水疱形成など
「トレチノイン」赤み、かゆみ、乾燥など
「ハイドロキノン」赤みやかゆみ、乾燥など

 

注意事項等

 

「フォトシルクプラスルクセア」

  • 施術後は日焼け止めを塗るなど紫外線予防をしてください。
  • 赤み、ヒリつき、ほてり感などが出るかもしれません。通常は1~2日でおさまります。
  • 一時的にしみが濃くなる場合もあります。その後カサブタとなり1週間ほどで自然にはがれおちることがほとんどです。

 

「Qスイッチルビーレーザー」

  • 炎症後色素沈着、色素脱失、傷跡などが起こるかもしれません。
  • 強く日焼けをしている部位は、赤みや火傷、水ぶくれなどが起こりやすくなります。
  • 一時的にカサブタができることもあります。10日ほどでカサブタが自然にはがれて薄いピンク色の肌が見えます。その後は少しずつもとの色へと戻っていきます。

 

「トレチノイン」

  • トレチノインによる副作用はレチノイド反応と呼ばれています。角質層が一時的に薄くなることによって肌のバリア機能が低下し、外部から受ける刺激に弱くなることで起こると考えられています。
  • レチノイド反応は薬が適切に作用している目安となる反応で、3週間ほど続きます。使用を継続するにつれて少しずつおさまり、1~2か月を目安に症状はなくなります。レチノイド反応が強く出ている場合には、医師までご相談ください。

 

「ハイドロキノン」

  • 紫外線の影響から肌を守るために、治療中は日焼け止めクリームなど日焼け止め対策をしてください。
  • 長期間の使用によって白斑を起こす場合があるため、数か月の使用後には休薬期間を設けています。

 

 

<フォトシルクプラスルクセアについて>

  • 未承認医薬品等:フォトシルクプラスは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認機器です。
  • 入手経度等:当院医師の判断の元、イタリアのDEKA社より個人輸入しています。個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報はこちらをご覧ください。
  • 国内の承認機器の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認機器等はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。

 

<Qスイッチルビーレーザー(異なる目的での使用)について>

  • 未承認医薬品等:医薬品医療機器等法上、異所性蒙古斑、太田母斑や扁平母斑の除去などにおいて承認されていますが、その他の目的では承認されていません。
  • 入手経度等:グンゼメディカル株式会社より入手
  • 国内の承認機器の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認機器等はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:米国FDAの承認を受けています。

 

<トレチノインについて>

  • 未承認医薬品等:未承認
  • 入手経度等:株式会社ナノエッグより入手
  • 国内の承認機器の有無:同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

 

<ハイドロキノンについて>

  • 医薬品医療機器等法上の承認:医薬品医療機器等法上、国内で承認されていません。
  • 入手経路等:株式会社ナノエッグより入手
  • 国内の承認医薬品の有無:同一の成分・性能を有する国内の承認医薬品等はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:副作用として報告されているもの:色素脱失、発赤など

 

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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