いぼ

2024.01.05 いぼ

【いぼに悩む方へ】老人性いぼができる原因と治療方法を解説!

【いぼに悩む方へ】老人性いぼができる原因と治療方法を解説!

いぼは、ウイルスが原因とされるものと、加齢や紫外線が原因とされるものの2種類があり、老人性いぼは後者のタイプです。

老人性いぼは「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれ、老化によって生じると考えられています。

今回は、老人性いぼの特徴や原因、当院の治療法についてご説明します。

 

老人性いぼってなに?

老人性いぼは、別名「脂漏性角化症」「老人性疣贅」と呼ばれ、加齢や紫外線による影響が大きい良性腫瘍の一種です。

いわゆるシミといわれている老人性色素斑が隆起し、脂漏性角化症となることもあります。

 

直径1~2cm程度の灰褐色~黒褐色のいぼで20歳代から発生し、80歳以上ではほとんどの高齢者にみられるいぼです。

通常、かゆみや痛みはなく、手の平や足の裏には出現しないことが特徴です。

 

代表的なウイルス性のいぼは「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と呼ばれ、小さな傷口から主にヒトパピローマウイルス2型が入り込み、角化細胞に感染することにより生じます。

皮膚からウイルスが放出され、他の部位へ感染することもあります。

 

ウイルス性のいぼには他に「水いぼ」といわれる伝染性軟属腫、主にヒトパピローマウイルス3型・10型が侵入して感染する青年性扁平疣贅などがあります。

いぼの種類については、「顔にできるいぼを除去するには?|原因や治療方法を解説」もご覧ください。

 

老人性いぼの原因

老人性いぼは、加齢や長年の紫外線によるダメージが影響しています。

皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織の順から構成され、表皮はさらに角質層・顆粒層・有棘層・基底層からできています。

 

老人性いぼは、表皮の下層にある有棘層と基底層の細胞が異常増殖することで生じると考えられています。

また、体質的に老人性いぼを生じやすい方もいます。

 

老人性いぼの治療法

老人性いぼが疑われる場合、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡で病変を詳しく観察します。

ダーモスコピーは皮膚の腫瘍の種類や悪性腫瘍の一種であるメラノーマを診断する際に有効です。

 

いぼは数種類存在するため、いぼに応じた治療を行っています。

医師の診察の結果で老人性いぼと診断された場合、当院では以下の方法で治療しています。

 

冷凍凝固療法

-196℃の液体窒素のいぼに当て、組織の壊死によっていぼを除去する治療です。
スプレー式、ピンセット、綿棒で取り除く3種類があり、スプレー式はもっとも一般的な方法で液体窒素を当てる強さを調整できます。

 

ピンセットは摘まめるくらい外側へ飛び出ているいぼの除去に使用し、綿棒は小さないぼを取り除くときに使用します。

綿棒は液体窒素を当てる部分を最小限にできることが特徴です。

 

冷凍凝固療法は保険が適用されます。

1~2週間ごとに通院していただき、治療を進めます。

冷凍凝固療法の詳しい治療については、「冷凍凝固療法(液体窒素)」もご覧ください。

 

サージトロン(ラジオ波)

冷凍凝固療法で期待した効果が得られない場合や通院回数を少なくしたい方には、サージトロンによる除去を行います。

局所麻酔後、サージトロンで削る範囲や深さを調節しながら手動でいぼを削り取っていきます。

 

高周波エネルギーを照射していぼを削り取るため、組織へのダメージが少なく、傷跡が残りにくいことが特徴です。

また止血作用があり、出血もほとんどありません。

 

治療時間は15分程度です。

治療後はテープを貼っていただき、治療翌日と2週間後に経過観察を行います。

テープを貼らずに傷が乾いた場合、傷口が凹み、治りにくくなるため注意しましょう。

 

サージトロンは傷が残りにくい、再発の可能性が低い、短時間で治療ができることなどがメリットです。

サージトロンについては、「いぼ、ほくろの除去手術」もご覧ください。

 

老人性いぼの予防

脂漏性角化症は、主に加齢や紫外線の影響で発生します。

普段から日焼け止めや日傘などを活用し、紫外線対策を十分に行うことをおすすめします。

日焼け止めは、紫外線吸収剤が含有されていないものが肌にやさしくなりますが、白浮きしやすくなります。

 

SPFは短時間で肌に炎症を起こしやすく、黒化になりやすいUVBを防ぐ指標です。

PAは長時間にわたって肌の弾力を失わせるUVAを防ぐ指標を指し、+の数が多いほど高い効果を示します。

 

日焼け止めのSPFは30程度のものを選択し、こまめに塗り直すとよいでしょう。

日本香粧品学会では、日焼け止めの使用について以下の方法を推奨しています。

  • 毎日紫外線対策を行う
  • 2~3時間ごとに塗り直す
  • タオルなどで肌を強くこすった場合は、塗り直す
  • 顔の隠れやすい帽子を身につける
  • 日傘を使用する
  • できるだけ長袖を着用する
  • 紫外線が特に強い午前10時~午後2時の外出はできるだけ控える

 

副作用とリスク

治療の効果や経過には個人差があります。

気になる症状があらわれた場合には、医師へ相談しましょう。

 

冷凍凝固療法

  • 治療中は痛みを生じます。
  • 水疱、炎症後色素沈着を起こすことがあります。
  • 水疱は2週間ほどで吸収されるため、触って潰さないようにしてください。

 

サージトロン(ラジオ波)

  • 治療後に赤みを生じることがありますが、時間の経過とともに落ち着きます。
  • 傷跡、ケロイド、炎症後色素沈着などを起こすことがあります。
  • まれに再発することがあります。

 

また以下に該当する方は、治療を受けられない可能性があります。

必ず事前にご相談ください。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 血液をサラサラにする薬を服用中の方

 

料金

冷凍凝固療法による除去は、保険適用となります。

いぼの冷凍凝固療法:約700円

 

サージトロンによる除去は、自由診療です。

いぼ(自費の場合)

3mm未満 2つで 10,780円
3mm以上 10,780円

 

いぼや老人性いぼが気になる方は、上野御徒町ファラド皮膚科へ

老人性いぼは主に加齢や紫外線による影響が大きく、80歳以上のほとんどの高齢者で生じるとされるいぼです。

当院では液体窒素凍結療法やサージトロンによる除去を行っています。

 

当院ではいぼの種類を鑑別し、適切な治療法をご提案いたします。

気になるいぼがある方は、当院へお気軽にご相談ください。

 

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

 

 

<サージトロン>

  • 未承認医薬品等(異なる目的での使用):ラジオ波メス(サージトロン)は医薬品医療機器等法上、承認された医療機器ですが、治療によっては承認内容と異なる場合があります。
  • 入手経路等:株式会社ellman-Japanより国内承認機器を入手しています。
  • 国内の承認医薬品等の有無:同程度の効能・効果で承認されている国内承認機器等はありません。
  • 諸外国における安全性等に係る情報:諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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